タンジョウ農場

ブルーベリー
タンジョウ農場(花見川区大日町)
岩山 雅子

甘酸っぱい初夏の宝石「タンジョウ農場」のブルーベリー
・販売期間:6月中旬~8月中旬ごろ
・千葉市内で買える場所:タンジョウファームキッチン内ファームマーケット、生鮮市場TOP稲毛長沼店、マックスバリュ稲毛長沼店(産地直送コーナー)など

千葉市花見川区——交通量の多い国道16号線をほんの少し外れると、目の前に現れる緑いっぱいの「タンジョウ農場」。ここを切り盛りする代表の岩山雅子さんは、約28年前、未経験で農業の世界に飛び込みました。故・丹上啓農場長のもと少しずつ規模を広げ、年間で100種類以上の野菜を栽培するほか、農場の採れたて野菜を使った「タンジョウファームキッチン」は、いまでは予約が取れないほどの人気のレストランに。
そんなタンジョウ農場で、今年もブルーベリーの収穫がスタート。初夏の日差しを浴びて、旬を迎えたブルーベリーのおいしさの秘密をうかがいました。

目次

農薬を使わず育つブルーベリーは土壌づくりと剪定が命

「どうしてもブルーベリーを作りたかった」という強い想いで栽培に取り組む岩山さん。ブルーベリーは、農薬を使わずに育てられる数少ない果物のひとつであり、小さな子どもにも安心して食べてもらえる点に魅力を感じたと語ります。また、「将来的に”農園内でレストランを開きたい”という構想があって、ブルーベリーを使ったスイーツやデザートを振る舞うのも夢でした」(「」以下、岩山さん)。

栽培にあたっては、まず土壌改良から始め、苗の植え付けもいちから手がけました。植え付け後、最初の5年間は収穫はせず栽培に専念し、果樹の成長を優先。その後、ようやく満足できる実が収穫できるようになり、レストランでの提供も開始しました。

栽培では、農薬を使わない分、剪定による風通しの確保が重要です。「ブルーベリーは、たくさん日に当たった実ほど甘くなるんです」と教えてくれたように、冬の間は、地道で丁寧な剪定が必要です。また、虫や鳥による被害、気候変動など自然環境との調整も欠かせません。それでも、さまざまな環境の変化によって、ブルーベリーはその年ごとに異なる甘さや酸味といった”表情”を見せてくれます。

栽培品種はなんと40種類! 摘みたてのブルーベリーは収穫体験も

現在、タンジョウ農場ではおよそ40種類のブルーベリーを栽培しており、6月から8月にかけて順に旬を迎えます。収穫されるのは主にハイブッシュ系とラビットアイ系の2系統で、それぞれに味や食感の違いがあります。

また、同じ品種であっても、日当たりや木ごとの状態によって風味は微妙に異なります。特に日当たりのよい木の実は甘みが強く、おいしく育つ傾向にあるそう。

「食べごろの見極めは、果実のお尻までしっかり色づいているかどうか」。タンジョウ農場では複数の品種が混在しているため、ブルーベリー収穫体験の際には実際に摘んで試食しながら、自分の好みに合った”お気に入りの木”を見つける楽しみも味わえます。

6月中旬ごろ~収穫【ハイブッシュ系
甘さと酸味のバランスが絶妙で、粒は大きくジューシー。生食にぴったり。
7月下旬〜8月収穫【ラビットアイ系
皮がしっかりしていて糖度が高く、程よい酸味で加工にも向いている。

ブルーベリー収穫体験
・不定期開催
 ※開催情報は公式ホームページInstagramで随時更新
・ブルーベリーが収穫可能な6月~8月終わりごろまで

冷凍で3カ月保存可。電子レンジで簡単・フルーツソースもおいしい!

収穫したてなら、まずはそのまま生食で楽しむのがおすすめですが、甘さの中に感じる程よい酸味と香りがアクセントになるため、料理にも活用してみましょう。残った分は保存しておくことで長く楽しむことができます。

冷蔵保存(約2週間)
洗わずに密閉容器やジッパー付き保存袋などに平らに並べて保存。
冷凍保存(最大3カ月)
洗わずにジッパー付き保存袋などに平らに並べて冷凍。半解凍すれば、シャーベット感覚で楽しめます。

水分で傷みやすくなるため、洗わずに保存するのがコツ。

「料理に使うなら、サラダがおすすめです。フルーティーで爽やかな味わいになりますよ。ヨーグルトに加えて、フルーツいっぱいのデザートにしたり、電子レンジで簡単に作れるブルーベリーソースや、定番ですがジャムにも最適です」

ジャムやソースにする場合、加える砂糖の目安は、ジャムなら「ブルーベリーに対して約半量」、ソースなら「ブルーベリーに対して約30%」が、おいしい割合だそう。「ブルーベリーソースを電子レンジで加熱する時は、様子を見ながら少しずつ加熱するのがポイントです」

ほかにもタンジョウ農場では、収穫したブルーベリーで作った「ブルーベリー酢」も開発。レストランでは、そのドリンクも楽しめます。みずみずしく軽やかな味わいに、夏の暑さも吹き飛びます。

愛らしい見た目と甘酸っぱさで初夏のひと粒を味わう

自ら空き家を改装したという併設の農園レストラン「ファームキッチン」では、この季節だけの特別なスイーツ「初夏の摘みたてブルーベリーパフェ」が登場。摘みたてのブルーベリーに加え、種から育てた麦の自家製グラノーラやレモンピール入りアイスクリームなど、全15種類の素材を重ねた贅沢な一品は、まさに“宝石のパフェ”と呼ぶにふさわしい仕上がりです。

「千葉市は、一年を通して畑仕事ができる恵まれた土地。毎日忙しくても、その忙しさは豊かなことの表れで、感謝すべきことだと思っています。農場は作物を育てるだけの仕事ではなく、誰かの食卓に安心と幸せを届ける営みでもあります。だからこそ都心からもアクセスしやすいこの場所で、いつもの暮らしから少しだけ距離を置いた“非日常”を味わいながら、ほっとした気持ちになってもらえたら、これほどうれしいことはありません」

「この時期にしか見られない、緑からブルーへと移り変わるブルーベリーのグラデーションがとても美しくて、かわいいなと思った」と言う、岩山さん。その小さな感動が夢を生み、いつしか現実となってたくさんの人に”畑の恵み”を届けてきました。自然の香りを胸いっぱいに吸い込んで、この季節にしか出会えないブルーベリーや畑のごちそうを、楽しみにきてはいかがでしょうか。

タンジョウ農場のブルーベリーを買う

タンジョウファームマーケット
営業時間:毎週木~日 11:30~16:00(月・火・水曜定休)
所在地 :千葉市花見川区大日町1399-2 ファームキッチン内 MAP
電 話 :043-239-7166
公式サイト:https://www.tanjofarm.net/
Instagram:https://www.instagram.com/tanjofarm_kitchen/
※営業状況はお問い合わせください

マックスバリュ稲毛長沼店
営業時間:8:00~24:00
所在地 :千葉市稲毛区長沼町112-2
電 話 :043-215-2550
店舗情報:https://www.mv-kanto.co.jp/stores/220/

生鮮市場TOP稲毛長沼店
営業時間:9:00~21:00
所在地 :千葉市稲毛区長沼原町731-17
電 話 :043-304-8761
店舗情報:https://mami-mart.com/stores/chiba/chibashi/inagenaganuma.html

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