
いちご
山﨑いちご農園(緑区板倉町)
山﨑 信義
50年間、朝取れ&完熟だけを販売。唯一無二の土づくりから生まれる”絶品巨大いちご”。
・販売期間:12月~5月頃まで
・千葉市内で買える場所:山﨑いちご農園直売所、わくわく広場 おゆみ野イオンモール店、わくわく広場 あすみが丘バーズモール店 など
千葉市緑区板倉町あすみが丘のさらに奥。のどかな景色が広がる一角に、山﨑いちご農園はあります。この地でいちごづくりを続けて58年。千葉市内でも数少ない、昔ながらの「土耕栽培」にこだわる農園です。拳ほどの大きさにもなる特大いちごは、なぜここまで大きく育つのか。その秘密をうかがいました。
”いちごファースト”で育てるふかふかの土

「土づくりが命です」と、話す山﨑さん。山﨑いちご農園のいちごがひときわ大きく甘く育つ背景には、この時間と手間を惜しまない土づくりに秘密がありました。
「土には、3年間熟成させた馬堆肥と、魚の骨などを使った有機肥料を使っています。いちごのシーズンが終わるたびに、すべての畝を崩して、その堆肥を入れて耕運するんです。夏の猛暑の中での作業は正直きついですが、“いちごにとって一番いい環境をつくること”を最優先に考えています」(山﨑さん、以下同)
近年主流の高設栽培に比べ、土耕栽培はいちご農家の数も減少傾向にあるそうです。「収穫作業は中腰になるので体への負担は大きいですね。でも土耕だと根がしっかり張り、栄養をたっぷり吸収できる。そのぶん味に差が出ると思っています」

「収穫のときは、頭にタオルを巻かないと調子が出なくて」と笑いながら、作業風景を見せてくれました。「上手に、楽に収穫するためのコツはありますよ」と言いながらも、夏場は汗だくになることもあるそう。
こうした土へのこだわりと積み重ねが、大きいのにどこから食べても甘く、みずみずしい“完熟いちご”を育てているのです。
味のブレが少ない「いちごのなかのいちご」 紅ほっぺのみを栽培

総面積約1,000坪のハウスで約2万6,000株を育てる山﨑いちご農園。栽培する品種は15年前から「紅ほっぺ」ひと筋。
「以前はいくつかの品種を試していましたが、紅ほっぺは甘さと酸味のバランスがよく、食べた後にいちごらしい香りが残ります。大人から子どもまで楽しめる、まさに“直球勝負”のいちごですね」
しかも、紅ほっぺは農園の土との相性もよく、2月頃には1粒80g〜100gの大きさに育つことも。12月中旬のシーズン初めでも、名刺大のサイズ感ですが、寒さが深まる2月には、さらに迫力ある”巨大いちご”が登場します。
ジャンボいちごはその見た目とおいしさが口コミで広がり、いまでは農園の名物に。クリスマスや年末年始には、直売所の販売開始前から車が列をなすほどの人気です。取材中も電話が鳴りやまず、その注目度が伝わってきました。
完熟果実だけを、販売日の朝に収穫

おいしいいちごの見分け方は、「ヘタの下まで真っ赤なものを選ぶこと」だと、山﨑さんは言います。
市場に出回るいちごの中には、色づききる前に収穫されるものもありますが、山﨑いちご農園では完熟を待ってから収穫します。
「収穫後に追熟させたものと、完熟してから採ったものとではおいしさが違います。たとえ売れ残ったとしても、時間が経つと果実がくすんでしまうので、翌日に持ち越すことはしていません」
そして一度収穫した畝は、すぐには次を採らず6日間間隔を空けます。毎日収穫する畝を変えることで、直売所には常に”今日が食べ頃”のいちごだけが並ぶのです。
真っ赤に色づきツヤツヤと輝く果実は、大ぶりながら水っぽさはなく、驚くほどジューシー!
日持ちはしませんが、それこそが“一番おいしいタイミング”である証。大事に取っておくと残念なことになってしまうため、購入したらその日のうちに味わうのがおすすめです。
そうは言っても購入後すぐに食べきれない場合は、「ヘタを取って冷凍保存するといいですよ」と、山﨑さん。夏には、そのまま削ってかき氷にすると最高なのだそう。完熟いちごでつくるかき氷——想像するだけで、贅沢!
また、ジャムにすると色も味も格別に。4〜5月頃にはお得に買えることもあるので、ジャム用にまとめ買いするお客さんも多いそうです。
一粒のいちごから広がる あたたかな風景

創業当初は小さな小屋からはじまった直売所も、気がつけば約50年。かつて親に連れられて直売所を訪れていた子どもが、いまは自分の子どもを連れてやって来る——そんな光景も、山﨑いちご農園では珍しくありません。
直売所を切り盛りする82歳の名物おばあちゃん、通称「いちごグランマ」は、「いちごを買いに来たお客さんが、野菜やお菓子を持ってきてくれるの」と不思議そうに首を傾げますが、「こんにちは」「いらっしゃいませ」と挨拶を欠かさず、何気ない会話や笑顔が行き交うこの場所には、いちごと一緒に、人の温かさも並んでいるようです。
土を大切にし、人とのつながりを育んできた山﨑さん一家。そのぬくもりに惹かれて、多くのファンが集まるのも納得です。
一度は味わいたい“大きな赤い宝石”。確実に手に入れたい場合は、電話予約での取り置きがおすすめですよ。
※来年からは、中心部が赤い珍しいキウイフルーツ・紅妃(こうひ)や、甘さが際立つゴールデンキングなども販売予定。
