山本養鶏場

山本養鶏場 嶋田さん


山本養鶏場 (若葉区)
嶋田 徳麿

卵かけご飯からスイーツまで!濃厚黄身と鮮度が自慢の赤玉卵
・販売期間:通年
・千葉市内で買える場所:コッコきみまろ 、しょいか〜ご千葉店、富田さとにわ耕園(千葉市富田都市農業交流センター)など

千葉市若葉区の山間にある 山本養鶏場は、赤玉卵を産む品種・ボリスブラウンを飼育。2棟の施設で約9万羽をローテーションで育て、1日あたり6~7万個の卵を生産しています。

山本養鶏場では、真夏の鶏舎内に涼しい風を送ったり、過ごしやすい時間に食餌を与えたりと、鶏が快適に過ごせる環境づくりを第一に考えてきました。大切に育てられた鶏が生む卵は、近くの直売所で毎朝行列ができるほどの大人気商品。地域を代表する養鶏場の取り組みと、卵のおいしい食べ方を嶋田徳麿さんに伺いました。

目次

”卵の味”は食べるものと環境で変わる

山本養鶏場で飼育されているのは、赤玉の卵を産む品種・ボリスブラウン。「赤玉鶏の王者」とも呼ばれ、病気やストレスに強い元気な鶏の品種だそう。白玉を産むジュリアなどの品種よりも体格がよく、卵のサイズも少し大きめ。濃厚で弾力のある黄身が特徴の茶褐色の赤玉を産みます。

卵の色は、白玉・赤玉のほかに、ピンクベージュもありさまざまですが、実は、卵の色で味や栄養素が変わるわけではありません。
「鶏種が違っても、同じものを食べていれば卵の味は基本的には変わりません。味を決めるのは、殻の色ではなく食べものと環境にあります」(「」以下同、嶋田さん)。鶏がどんなものを食べていたかによって卵の味わいが決まるので、「重要なのは”飼料”」と、嶋田さんは言います。

「山本養鶏場ではとうもろこしをベースに、国産のお米やごまを配合した飼料を使い分けています。お米は、日本の生産物をできるだけ地産地消しようという考えに共感して、栄養のあるお米を使用しています。また、ごま入りの飼料で育った卵は黄身が濃いオレンジ色になり、栄養価も豊か。セサミンやビタミンE・Dを豊富に含んだ、濃厚でコク深い味わいに仕上がります」

こうした工夫が、山本養鶏場ならではの卵の個性を生み出しています。

”鶏の健康が一番”の飼育環境に

黒い窓のように見えるのが、水が循環する壁「パド」の装置

食べるもののほかに、卵の味を決める要素として嶋田さんがあげていたのが鶏を飼育する「環境」。風通しがよい山間部の立地は、「鶏が快適に過ごすための条件のひとつ」だと嶋田さんは言います。「鶏にとって本来過ごしやすい気温は22℃前後ですが、近年は猛暑続きでどうしても食欲を失いがちに」。

そこで鶏舎には、10基の大型ファンと「パド(クーリングパドシステム)」と呼ばれる水が流れる蛇腹状の網を設置。「鶏舎の外から入ってくる暑い空気が水の壁(パド)を通ることで、涼しい風に変わる”天然のクーラー”のような仕組みです」

ほかにも、その日の気候に応じて給餌のタイミングを調整。山本養鶏場では、鶏に1日に5回飼料を与えますが、できるだけ気温の低い朝や晩に給餌をすることで、鶏たちの食が進むように工夫。常に”鶏の健康第一”で飼育に向き合っています。

鮮度を楽しむ”おいしい食べ方と保存方法”

卵の消費期限は産卵日から2週間程度と長めですが、やはり新しい方がおいしいそうです。
山本養鶏場の卵は主に嶋田さんのお兄さんが経営する「シマダエッグ」に出荷・販売されています。工場も同じ若葉区にあるため、店頭に並ぶまでの時間が短く、新鮮な状態で売られています。

「どれくらい新鮮なら生卵で食べていいのか?」「卵の鮮度によって料理に使い分けたい」という人がいるかもしれませんが、卵の鮮度は、実際に割ってみないとわかりません。

「一般的に、白身がこんもりと盛り上がり、その上に張りのある黄身のある卵は鮮度の証。白身には炭酸ガス(二酸化炭素)が含まれているので、このガスにより産みたては白身が盛り上がり、濁って見えることがあります。時間が経つにつれて炭酸ガスは卵の殻の気孔から外へ抜けていくため、卵白は徐々に盛り下がり、色も透明になります」

”鮮度の高い卵”なら、「やっぱり生食が一番」と嶋田さん。
「黄身の盛り上がりを楽しむなら卵かけご飯で。しょうゆはもちろん、甘みのあるめんつゆをかけると旨みが広がって、新しいおいしさに出会えますよ。加熱するなら黄身と白身それぞれのおいしさがダイレクトに伝わる目玉焼き。火加減で半熟具合を調整できるので、味わいを変えて楽しむこともできます」

卵は10℃以下で保存すると長持ちします。冷蔵庫の”卵ポケット”に入れがちですが、実はNG。「卵は温度差に弱いため、扉の開閉で温度が変わりやすい卵ポケットより、冷蔵庫の棚側に入れたほうが一定の温度を保ちやすいためおすすめです」。

卵は丸い方に空気室があり、殻はとがっている方が丈夫なので、丸い方を上にして保存すると黄身が安定して鮮度が保ちやすいです。購入したパックのまま冷蔵庫に入れるといいでしょう。

地域とのつながりや環境にも配慮

同場で出た鶏糞は堆肥として市内や八街市の農家に提供、野菜づくりにも役立てられるなど、卵の出荷だけでなく、地域の循環型農業にも貢献している山本養鶏場。
もっとたくさんの人に卵を届けられるよう、いま鶏舎の増設なども検討しています。

「卵はおいしさだけでなく、たんぱく質、脂質、ビタミンやミネラルが豊富で、栄養バランスの面でも頼もしい存在。ヒトの健康を支える、すばらしい食品だと思っています。そんな卵を産んでくれる鶏たちを大切に育てながら、これからも多くの方に安心して食べてもらえたら、とてもうれしいです」

コッコきみまろ(シマダエッグ直売店)
※販売されている赤玉卵は山本養鶏場産
営業時間:10:00~18:00
定休日 :毎週月曜日(祝日の場合は営業。翌火曜日に休業)
所在地  :千葉市若葉区加曽利町1800番地40 MAP
電 話 :043-235-1603
URL:https://www.shimadaegg.co.jp/store/

しょいか〜ご千葉店
※千葉市「花のあふれるまちづくり」シンボルキャラクター・ちはなちゃんが目印の「天女の赤たまご」
営業時間:9:30~18:00
定休日 :毎週水曜日・年末年始
所在地 :千葉市若葉区小倉町871番地 MAP
電 話 :043-231-1831
Instagram:https://www.instagram.com/syoicargochiba/

富田さとにわ耕園(千葉市富田都市農業交流センター)
※毎朝、直売所にて販売
営業時間:9:00~17:00
定休日 :月曜日(祝日の場合は翌日)
所在地 :千葉市若葉区富田町711-1 MAP
電 話 :043-226-0022

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